日本人は「デジタル側に住むこと」ができるか – 世界の流れとXD 第0章

シリーズ: 世界の流れとエクスペリエンスデザイン
– デジタルオーバーラッピング、OMO、バリュージャーニー カタカナまみれの世界観 –

このシリーズは、ビービットが拠点を持つ中国をはじめ、世界から集めたトレンドをまとめた結果出てきた「ビービット独自の視点と切り口」を、今の日本のビジネスを背負って立つ皆様にお伝えするものです。

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第0章 :日本人は「デジタル側に住むこと」ができるか

  1. デジタル側はすぐそこに
  2. データ志向?体験志向? 知っておきたい大事な変化
  3. 日本の遅れを意識する

デジタル側はすぐそこに

世界で進んでいるデジタル化。
これだけ言うと、ものすごく月並みに聞こえますよね。

でも、デジタル化とはいったい何なのでしょうか?
おそらくいろんな答えがあると思います。

私たちの考えでは「デジタル側に住むようになること」ではないかと思っています。

攻殻機動隊の電脳世界やマトリックスの世界観。
映画レディ・プレイヤー・ワン。
落合陽一さんのデジタルネイチャー。

そういった未来と、本質的に共感しており、それらに近い未来が来ると思っています。

 

「あんなラディカルな世界、来るとしても100年後」
そんな風に思っている方もいるかもしれません。

 

しかし、既に政治や社会のレベルで、アメリカの一部、中国都市部、北欧、エストニアなどでは、その世界が垣間見えつつあります。

例えばエストニアではe-Residencyがあり、日本人でも簡単にエストニアでビジネスを始めることができたり、ほぼ全ての行政・法業務がオンラインで完了できたり、国がデジタルデータベースとして存在しているような状況です。

 ※弊社取締役中島もe-Residencyをゲット!

身近なところでは、日本の若い世代。限られたリアル空間でのつながりに固執することなく、もっと自分の好みに合った人たちをオンライン上で簡単に探して繋がっています。起きたことを彼らといつでもシェアして喜びを分かち合っています。「メールより電話、電話より対面」など理解できず、ビデオチャットができれば十分と思っています。

私は中国に住んでいますが、誰もがスマホを持っていて、スマホを通じてあらゆるものが(道端の出店やお寺のお賽銭でさえ)支払うことができるので、コンビニの買い物も、外食も、移動も、友達との割り勘も、すべてがオンライン化しています。「もはやオフラインなどない!」そんな感覚です。

データ志向?体験志向? 知るべき大事な変化

最近、中国にたくさんの人が視察にいらっしゃいます。
しかし、そういう方々と中国に関して議論すると、一つ一つの事例を「便利ですごいけど、中国だからできること」と半分諦めモードで受け止めているケースが非常に多いと感じています。

中国のデジタル化は、深センで2010年あたりに生まれたスマホエコシステムによって素地が作られ、小米にブーストされて安価なモバイルが広まり、2015年に国家が出した「インターネット+」という規制緩和施策の後、たった3年でたくさんのデジタルサービスが生まれてデータが個人IDに紐づき、モバイルペイメントもここで一気に普及しました。

これが日本で起きていないのは確かです。

 

しかし、以下のように引いて考えてみることもできるのではないでしょうか。

中国を例に取ると、7億人以上にスマホとモバイルペイメントが行き渡り、街中のお買い物が全てスマホ経由(アリペイやWechatペイ)で完了するだけでなく、タクシー配車、出前、シェア自転車、映画館の予約、個人動画への投げ銭、それらも全てモバイルから完了するようになりました。なので、駐在員の私含め、みんな本当に財布を持ち歩いていません。

ここで大事なのは、「シェアサイクルが便利、モバイルペイメントが便利」ということではなく、「従来オフラインだったあらゆる行動が、IDデータとして蓄積し、活用可能になっている」ということではないでしょうか。これが活用できていないということは資産を持っているのに使えていないことと同じです。

 

この現象を企業の視点から見てみると…

  • データとは基本的にユーザとの接点で生まれる。
  • 接点が多いと、活用できるデータが増える。
  • 接点を増やしてデータを増やすには、ユーザにいつも使ってもらう必要がある。

となります。

何が言いたいのかというと、すべての行動がオンラインデータとして残る社会では、ずっとお客様に使い続けてもらうような、「便利で、好かれて、選ばれるような体験提供が欠かせない」ということで、データとエクスペリエンスは切り離せないものになるはず、ということです。

さらに、リアルの世界よりもVRの世界のほうが自由にデザインできることからも分かる通り、デジタルを活用すると物理制約に縛られない体験提供ができるようになり、得られたデータを活用して、「あなただけのためにデザインされた体験」を、最適なタイミングとコンテンツで提供できるようになります。

日本の遅れを意識する

デジタル先進国では、上で書いたような「デジタル側に住む」ような変化が起きており、これに関して日本は非常に大きく出遅れています。
既存型ビジネスの意見が強く、縦割りで、データ統合は一切進まず、データサイエンティストもとても少ない。データが使えたら使えたで、「エクスペリエンスを良くすることが最重要」ということが分かっておらず、クロスセル・アップセルや効率化にしか使わない。そんなことで苦しんでいらっしゃる方も、多いのではないでしょうか。

「まあ別に日本で暮らしてるんだから…」なんて言う人もいますが、アマゾン、Facebook、Appleが人気なことからも分かるように、日本もどんどん浸食されていきます。
グローバル化がそうさせるのではなく、デジタル社会がそうさせています。
エストニアのe-Residencyからも分かる通り、デジタルの世界はあなたの目の前に広がるリアル世界の裏側でどんどん大きくなり、Googleやalibabaのような覇権的プラットフォームは、その裏側の世界における国のような存在になっていきます。となると、リアル世界での国の境界線など、あまり関係がなくなってくるなあと思います。

 

この時代を、私たちはどう解釈して、どう行動していったらよいのでしょう。

 

ビービットでは、世界の流れがエクスペリエンスに傾くと考え、以下のような「ビジネスに使える思考法」をまとめてきました。僭越ながらこのシリーズでは、他の国の事例を紹介しながら、世界がどう変わっていくのか、日本企業がどうしていくべきなのかを、皆さんに提案していく場にしたいと思います。

第一章:生活編
第二章:ビジネス編
第三章:企業の戦い方編
第四章:社会変化編
第五章:日本の強み編
第六章:アフターデジタル妄想編

上記のように、順次配信をしていくつもりでおります。
特に、「エクスペリエンスの時代」を信じている方々を応援するような内容になるように心がけていきたいと思っております。

どうぞ、お楽しみに。


シリーズ: 世界の流れとエクスペリエンスデザイン
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