シリーズ「After Digitalな世界」第4回(最終回):After Digitalは幸せな世界なのか?

デジタル化した世界=After Digitalな世界についてお伝えしているこのシリーズ。第1回は、エストニアの話から、第2回第3回は中国の話から、After Digitalでは何がどんなふうに変わるのかを見てきました。

最終回となる今回は、第3回の最後に出てきた疑問、After Digitalは本当に幸せな世界なのか、について考えていきます。

自分が好きなサービス世界にだけ、いればいい

前回、After Digitalの世界では、ビジネスはOMO(Online Marges Offline)で考えられるようになり、OMOを実現するにはデータが大切な役割を果たす、ということをお話しました。そこで気付いた、個人の行動や評価がデータとして収集され、可視化されることにつきまとう抵抗感。SFもので定番の、コンピュータによる管理・監視社会が引き起こす恐怖を思い浮かべますよね。映画「1984年」のビッグブラザーとか、ちょっと違うけど、手塚治虫の「火の鳥」未来編、とか。

自分の情報や行動が、SFだったらコンピュータそのもの、After Digitalではどこかの企業の誰かという「赤の他人」に握られていること自体が気持ち悪い、というのは素直な感情だと思います。でもそれって、赤の他人がその情報を使って何か悪いことをするんじゃないか、という不安から来ているのではないでしょうか。

After Digitalの世界でも、本人の了承なしにデータがとられる、ということは、ご本人が約款とかをちゃんと読んでいるかは別として、基本的にはありません。DiDiだって、データをとられるのが嫌だったら、使わなければいいんです。

そう、わたしたちには、選択する自由があります。少しでも嫌だな、不安だな、と思うことがあれば、そのサービスの世界から抜けてしまえばいい。逆に、好きなサービスは使い続けて、たくさんデータを提供して、さらに自分にフィットしたサービスになっていくのを楽しむ。そしてどっぷりと、そのサービスの世界に浸ればいい。

自分がいる世界を選べるというのは、ちょっとエンタメ的です。日本でわかりやすい例を挙げるなら、ドラクエとファイナルファンタジー。どちらも、主人公がいて敵がいて、武器や装備があって、通貨があって、魔法が使えて、、、そういう要素でいったらだいたい同じです。各方面からお叱りを受けそうですが、そう捉えることもできます、という話です。でも、同じような役割のものを「やくそう」と呼ぶのか「ポーション」と呼ぶのか、そこにそれぞれの世界の世界観が表れます。ユーザはただ自分の好みに合う世界にだけ、つながればいい。

ハロプロが好きかAKB系が好きか、とか、MARVELが好きかスターウォーズが好きか、とかも、同じように考えられます。

企業が考えなければいけないのは「いかに一貫した世界観を提供するか」

これを企業の側から捉え直すと、「いかに一貫した世界観をユーザに提示して、その世界にいつづけてもらうか」を考えないといけないということです。いろいろなものがデジタル化してサービスの最適化が進んだら、同じ業界のサービスは、だいたい同じような要素で成り立つようになるでしょう。そのとき、ユーザに選び続けてもらうためには、一貫した「ありよう」が必要になります。

例えばディズニーランドに行って、せっかく楽しい時間を過ごしているのに、ありふれた作業服を着た人が掃除をしていたらなんだか興ざめですよね。だから清掃スタッフにもディズニーらしいユニフォームを着てもらい、中には清掃ユニフォームだけどパフォーマーなんて人もいたりして、そうやって世界観を保っている。こういう工夫と配慮を、これからはどの企業も求められていくのだと思います。

これをちょっとパワーワード的に言うなら、「モノからコトへ」の次、「コトからサマへ」。こういう変化がエンタメ業界だけでなく、各業界で起こっていくと思ったら、After Digitalな世界も楽しそうですよね。

ちなみにこのシリーズの第1回に登場したCOO中島は、「上海にいると、ずっとディズニーランドにいるみたいで楽しいんだよ!」ってよく言うんですが、それはつまり、上海がかなりAfter Digitalに近い世界になっている、ということなんだと思います。しょっちゅう上海やら台湾やらアメリカやら飛び回っている人なので、海外というだけでテンションが上がっているわけではありません、多分。

日本にもこれから来るであろうAfter Digitalの世界。そこであなたはどんなビジネスをしますか?そして、何を選び、どんなふうに生きますか?

このシリーズが、そんな妄想、想像、構想のタネになれたら、嬉しいです。
4回にわたり、お付き合いいただきありがとうございました。


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