サポートサイトのUX改善 ~チャットボット頼みで大丈夫?~

新型コロナウィルスの影響で、テレワークへの移行や店舗営業時間の短縮など、各企業はその企業活動を進める上で大きな変革を求められています。

特にBtoCの業態では、「店舗営業時間の短縮」「コールセンターの逼迫」に伴い「なるべくWebで手続きをしてほしい」ことをあえてCMで打ち出すなど、「コロナ対策による制約のなかで、入電数・来店数を減らし、なるべくWebを活用してもらう」という取り組みは喫緊の課題となっています。

「入電数・来店数を減らしたい」と一口に言っても、改善する施策はいろいろと考えられますが、最近特にお伺いするのが、「チャットボット※」の導入です。

本記事では、弊社でご支援した「サポートサイト改善」に関する複数のプロジェクト事例のなかから一例を取り上げながら、「チャットボットを導入すればWeb活用が促進されるのか?」という点について、具体的にご紹介していきます。

※チャットとボットを組み合わせた言葉で、AIの技術を活用した「自動的に会話ができるプログラム」のこと

「チャットボットを導入すれば大丈夫」と思っていませんか?

一見、チャットボットは顧客のお困りごとを丁寧に解決してくれそうなものの、自社サイトに設置するだけでは顧客に利用されず、自己解決率の向上に寄与しない可能性があります。

チャットを利用すると発言または実際に利用したのは10名中たったの2名

弊社が実施したサポートサイト改善プロジェクトにおけるユーザ行動観察調査(以下、「ユーザ調査」)では、チャットボットは「あまり利用される手段ではない」ことが明らかになっています。

ユーザ調査を実施した10名のうち、チャットを目にして「利用すると発言した」あるいは「実際に利用した」という顧客はたったの2名しかいませんでした。

チャットボットはなぜあまり利用されないのか?

顧客は「失敗しない」選択をして手間を省きたい

チャットボットの活用を検討する前提として、顧客は困りごとを解決する際、「どのような手段でも良いので、手っ取り早く解決できればそれでいい」と考えていることに留意する必要があります。

なるべく失敗しないように、手間は省きながら最短でお困りごとを解決したい…。そう考えている顧客に対して「チャットボット」という機能はフィットしているように企業からは思えますが、実際顧客からはどのように見えているのでしょうか。

思ったよりも信用されておらず、利用に不安を覚える

顧客はチャットボットを利用することで「確実に解決できる」と思っているわけではなく、自分で調べたほうが早いのでは?と思っており、ミスや手間を防ぎたい顧客からすると、チャットボットの利用はプライオリティが下がってしまいます。

顧客の声:チャットボットへの印象

そもそもロボットなので信用していない、なんとなく良さそうなツールだけど、ちゃんと使えるのか不安…。そんなチャットボットへの印象から、結果として(少なくとも最初から)チャットボットを利用する可能性は低く、チャットボット頼みでサイト改善を進めるのは妙案とはいえなさそうです。

「ふつうのサイトとチャットボットの融合」で成果を実現

チャットボットは「使いはじめてみれば」顧客フレンドリーなツール

ここまで「チャットボットは利用されにくい」というお話をしてきましたが、「使いはじめてみれば」以下のようなメリットがあるため、Web上での自己解決を促進してくれるツールといえます。

(チャットボットにおけるUX上のメリット)

  • 迷いにくい簡単な選択肢を提示できる
  • 複数の質問を繰り返すことで単一かつ最適な解決策にたどり着いてもらうことができる

UX上の良さはあるものの、なかなか使ってもらえない…。サポートサイトのUX改善という観点からは、「使いはじめ」に着目する必要があります。

「ふつうのサイト」にチャットボットのUXを埋め込む

そこで、弊社ではチャットボットを設置せずに「チャットボット的なUXをサイトで表現する」という施策を考えました。

※ 具体的なサイト構成イメージ
  • サイトTOPでは「お困りごとから探す」といった形で大まかなカテゴリを設置
  • 第二階層以降では、複数の「困りごと特定ページ」を用意のうえ、質問を繰り返して困りごとを特定する
  • 困りごとが特定できたら、具体的な解決ページに遷移させる

このように「チャットボット的」なサイト構成で設計することで、見た目は普通のサイトなのにも関わらず、「迷いにくい簡単な選択肢を提示できる」「複数の質問を繰り返すことで単一かつ最適な解決策にたどり着いてもらうことができる」チャットボットの良さを表現することができます。

プロジェクト事例では自己解決率が2倍に

ユーザ調査で上記構成を反映させたプロトタイプにて検証したところ、自己解決率は約2倍※になり、すべての顧客が途中離脱せずに目的のページへと到達できました。

「使いはじめ」で抵抗感がないことはもちろんのこと、「同じような言葉があり迷う・勘違いする」「解決策にたどり着かず諦める」「解決策に確信を持てない」などの課題も払拭できるため、自己解決率の向上につなげることができました。

※ プロジェクトで実施した10名へのユーザ調査での自己解決率・利用満足度をもとに算出しています

ユーザ調査は改善をスムーズに進めてくれる

検討を進めるには「企業・サービス特性」を踏まえた仮説検証が重要

上記のような指針がサポートサイト改善に効果的であるとご紹介したものの、改善を具体的に進めるうえでは様々な論点が浮かび上がってきます。

例えば、

  • 具体的なカテゴリはどのような切り口とすべきか
  • 最適な選択肢はどのように検討すべきか
  • 企業基準の言葉やコンテンツ配置となっており、顧客が迷うところはないか …など

様々な論点に解を出していくためには、企業・サービスの特性・個別事情を踏まえながら検討を進めていくことが肝心です。そのためには、企業・サービスの特性を踏まえたプロトタイプを作成し、ユーザ調査で検証していくことが必要といえます。

ユーザ調査を実施すると、社内の合意を得ながら進めやすい

その他のユーザ調査のメリットとして「社内の合意を得ながら進められる」ことが挙げられます。

社内で議論していると「その改善策は本当に有効なのか?」という質問に対して「明確に答えることが難しい」、あるいは「自信を持てない」というお話もお伺いします。

ユーザ調査を実施することで、ファクトに根ざした「地に足のついた改善策」となり、自信を持って改善を進めていくことができるようになるとともに、社内での合意形成を得られる可能性が高まります。

サポートサイト改善でお困りのときは

よりよい改善を実現・推進していくためにも、サポートサイト改善でお困りのときは、ぜひ弊社にご相談ください。

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