企業LINEは人間相手じゃないほうが気が楽? -エクスペリエンスデザインの現場から

「エクスペリエンスデザイン(以下XD)の現場から」は、ビービットがプロジェクトの中で見つけた「ユーザが置かれている面白い状況・インサイト」をお伝えしていくシリーズです。ユーザの行動をじっくり観察し、エクスペリエンスデザインを行う過程でハッと気づいた瞬間の知的な面白さを、皆さんにお伝えしていきたいと思います。

さて、今回は…

みなさんは、企業のLINEアカウントとやり取りをしたことがあるでしょうか。ビービットが実施したプロジェクトの中で、企業LINEと会話する際のユーザ心理について、おもしろい発見があったのでご紹介します。

企業のLINEアカウントをつくってみたけれど

ある企業からLINEアカウントの活用についてご相談を受けました。その企業が扱う商材はこのシリーズの1回目で取り上げたような、予備知識がないと選ぶことが難しい種類のものでした。

複雑な商材を扱っているため、そのことについてユーザが質問ができる、というLINEアカウントを運用されていて、ビービットにご相談いただいた時点で友達登録が100万アカウントを超えていました。しかし、販促チャネルとして効果的に活用するまでは至っていませんでした。

その理由はいくつかありますが、一番大きかったのは、このアカウントがユーザにとっては企業側からのDMが一方的に送られてくる、ただのメルマガのようなものだと思われていたことでした。

商品の情報を読みこむのが面倒、というニーズに応えるために

このユーザ調査では、一方向コミュニケーションではなく、双方向コミュニケーションを実現したら活用が促進されるのではと考え、コンサルタントが企業LINE側の発言を担当しユーザとやり取りを行いました。

「この人は”料金が知りたい”と言っているけど、”なんでそんなに安いの?”という不安を持っているんじゃないか。料金を教えつつ、仕組みもセットで伝えてみよう」のような仮説をいくつも用意して、それを実際の調査で検証し、また組み立て直すということをコンサルタントが即興で行ったのです。

この企業のように複雑な商材の場合、予備知識ゼロで質問しても的確に教えてもらえるという体験をすることで、「雑に質問をしても期待した以上の情報が返ってくる」「このサービスは使える」とユーザが感じられると、どんどん会話が進んでいくことがわかりました。

また、ユーザは「そもそも何を聞けばいいかわからない」ということも課題だったので、会話の開始時に”よくあるご質問”を用意して聞きやすくしたことも、気軽に利用するということに効果がありました。

「LINEの向こう側はロボット」のほうが気楽でウケがいい!?

さらにユーザ調査を進めていく中で、もう一つわかったことがあります。それは、ユーザが相手をコールセンタースタッフのように「人」だと認識しているよりも、「bot」が対応していると思っているほうが、コミュニケーションが円滑で長く続く、ということです。

先程もご説明した通り、調査の際、コンサルタントが企業アカウントの発言を担当していました。その中でオペレーターのように人としてのコミュニケーションをはかるより、キャラクターのようにbotに扮してやりとりを行ったほうがコミュニケーションがスムーズだったのえす。

自分でサイトの難しい説明を読み解くのは手間だと感じていても、人相手に聞くのは営業をかけられたりするのが怖くてためらってしまう、という人にとって、bot(LINE+AI)は「こちらを誘導してこないのにほしい情報を気軽にきける」救世主的な期待を感じたようです。

これはコンサルタントにとっても企業担当者様にとっても新鮮な発見でした。
「雑な質問をしてもいいという気軽さ」が、コミュニケーションを開始するハードルを下げたのです。

「調査」という響きからは一見想像もできないようなクリエイティブでワクワクするようなことを行うのがビービットのユーザ行動観察調査です。デザイン思考を用いた問題解決に興味をお持ちの方、ぜひ一緒に働いてみませんか?

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